古典ギリシア語の教科書です。題名通りの四週間で習得はできないと、先生に断言されました。はんなりとした京都弁を話す面白い先生でしたが、開口一番、「今日が最初で最後の授業です。古典ギリシア語は独学してください」と言われたときは、驚愕しました。試験もなく、成績は読んだ本の書評で決まるという、もはや、古典ギリシア語とは何の関わりもない評価方法です。取得単位を満たしている般教なので、落としても何の痛手もないですが、古典ギリシア語の独学ができないから、受講した自分としては、授業を受けたかったです。
欧米では、週三回の授業を半期で集中的に詰め込む形式を取るそうですが、週一回の授業しか出来ない慶應ではほとんど習得できないそうです。先生にとって、さらに悪いことには、受講者が月日を追うごとに、減少していき、秋には誰もいなくなるということも頻繁に起こり、4~5年前から独学に切り替えたそうです。学生からも好評で、学事にも承認を得ているそうですが、講師としてのお金を正規に貰っているのかどうかは少し気になります。ただ、滋賀からわざわざ上京して、誰も授業にいなかったとしたら、徒労感にうちひしがれるのも無理はないかと同情を禁じ得ません。
最初で最後に会った受講生の中に、この講義を受けるために親と骨肉の争いをした商学部の人や就活中の法政の人、思想史を専門とする院生がおり、自分を棚に上げて、誠に酔狂な人達だなと思わざるを得ませんでした。
勉強して生じた疑問点などは、先生に手紙で質問できます。書評も郵便で先生のお宅に送ります。比較的若い先生なのですが、メールではありません。手紙です。古典ギリシャ語の通信教育です。
そしてこの教科書ですが、巷間では、絶版になり、アマゾンではプレミア価格になっているという噂がまことしやかに流布されていました。しかし、幸運にも、神保町の三省堂で新品を定価で購入できました。
あまりの衝撃に長々と書いてしまいました。古典ギリシア語を習得したいと思います。ぱにゃにゃん!
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Hiroki Hayashi