ノンフィクションに限りなく近い小説がこの「土恋」。新潟県で粘土が産出される土地で多くが瓦や龜など生活に必要な製品を作っている中、唯一の民芸系の陶芸品を作り続け、後に「庵地焼」と自ら命名し後に名を残したある陶芸家の一生とその家族を取材して書き上げた作品。
4女をもうけ、後に娘たちが窯を次ぐにいたる道筋のなかで、その陶芸家とお見合いをし嫁入りした佐渡の一女性の視点から語られているのだが、昔の方達の耐える力に驚かされるのみだ。昔の家族の形が語られているのだが、そこで表にでなくとも力強く生きる女性が感動的に描かれている。陶芸に興味がなくとも読めるいい読みものです。
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Hikaru Sato