1.桐壺:その昔 闇の中から光が生まれる
桐壺帝に寵愛された更衣は、美しい第二皇子を産んで死んでしまう。帝は、第一皇子が春宮に立たれるに際し、光源氏を、高麗の相人のうらないに従って臣籍にお下ろしになった。元服した源氏は葵の上と結婚するが、亡き母更衣にかわって入内した藤壺宮を思慕するようになった。
2.帚木:眠れる夜 つれづれなる夜
五月雨の降り続くある夜、源氏は頭中将らから経験談や女性論を聞く[雨夜の品定め]。その翌日、源氏は方違えにかこつけて中川の紀伊守邸を訪れ、その後、空蝉と契った。
3.空蝉:そして 男と女の戦さが始まる
源氏は空蝉の弟小君の案内で、紀伊守邸を訪れ、空蝉が軒端萩と碁を打っているさまをかいま見る。その夜、空蝉の部屋に忍び込んだが、空蝉は源氏との再会を拒んだ。
4.夕顔:白い花よ 十代の終わりに短くも咲け
源氏は重病の第弐乳母を五条の家に見舞い、惟光のはからいで隣家の夕顔を知り通い始めるが、やがて夕顔は、源氏が連れ出した近くの荒廃した某院で、物の怪にとりつかれて死んでしまう。夕顔には頭中将との間に女の子がいた。
「一口に”古典”で片付けられてしまう様々な作品群を見ていると、今の文学というのはなんと寂しいものだろうと思う。生き生きした話し言葉の文学もなければ、壮麗典雅な大悲劇もない。そういうものは全部アリだと思うのに。今度の私の源氏物語は、ただ一言、絢爛豪華をやりたい―これに尽きる。絢爛豪華で重くて難解で、でもやっぱりそこにあるのは人間のドラマで、千年前に、人はこんなにも豪華に現代の悲惨を演じていたという、そんな話。日本語ってこれだけ凄いんだぞ―。」(橋本治)
Wow! ノートはまだありません
Hiroki Hayashi