常に正しい日本語を話すことを考えていると肩が凝るし、音楽を聴いていて感情が高ぶったら「うわぁ~、これ、まじ、ちょ~ヤバい」と言いたくなる。しかし、本来あるべき姿を知っているのと知らないのでは大きな差が出てくるものだ。
この本は、敬語についてはもちろんのこと、慣用句や禁断の一言、助詞の使い方、クッション言葉、美しい言葉の響き、文学者の系譜に至るまで、様々な専門家が意見を述べている。今も昔も「言葉が乱れている」と言われる状態は変わっていないようで、そこから新しい意味を付加されることもあるので、一概に「これは絶対に間違えている」とは言えないものだ。しかし、どんなに周囲が使おうとも、個人的には「とんでもございません」はおかしな日本語だと思うし、やたら「〇〇させていただきます」を連呼するのもいただけない。アナウンサーが使っているからといって、それが正しい日本語だとも限らないので、何事も自分で意味を考えながら使うことが肝要である。
余談。『派手』という言葉があるが、あれはもともと三味線の双方を指す褒め言葉だったらしい。伝統芸能から出ている言葉もあるので、日文科出身の私としては興味深く感じた。
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Hiroko Kashimoto