原著のPoorly made in Chinaは2009年発行で、今とは多少違うのかもしれないが、米国で出荷されているシャンプーの中国での製造の話など、恐ろしく感じる部分は少なくない。ただ、中国企業が品質や約束より利益を優先するケースがあることを恐ろしく思うより、国際競争の中で米国企業が余裕を失い、品質にリスクを感じているのにもかかわらず、製品を市場に供給してしまっていることの方がもっと恐ろしい。既に、目線が下がってしまっているのである。
規制緩和も必要だし、新たな規制も必要だと思う。個々の企業や従業員が目線を高く持って良い仕事をしていくという気持ちも大事だけれど、現実には気持ちだけでは安全、安心が維持できるとは思わない。
製品品質だけではなく、人材品質、サービス品質の分野においても国際競争は激しい。品質を保ったうえでなお価格でも勝負できなければ市場からは退場しなければならない。保護主義的な視点ではなく、安心安全のための必要な規制は国際的にかけて、品質、安全性が確保されるような仕組みが作られる必要があると感じさせられた。
刺激を受けた書籍として推薦できる本である。
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Takayuki Hagihara