メルマガ「ビジネスブックバンク」Vol.201より
さて、本日ご紹介する一冊は、なんと6割が所得ゼロという
行政書士の世界で、初月から月商100万円をあげ、
現在はグループ年商数十億、年収は億単位という
金森 重樹さんの『プロ法律家のビジネス成功術』です。
本書は、「プロ法律家の」というタイトルのため、、
もしかすると行政書士やその他士業の方のみに通ずるものと
思われるかもしれません。
しかし、そんなことはなく、むしろ、
営業パーソンや経営職やマネジメント職以上の方に
大変参考になる内容になっています。
それは、本書に「理詰めで富裕層になった」と書かれている通り、
利益を上げる為のノウハウが詰まっているからです。
本書からは、物事の本質を捉える思考法こそが学べます。
たとえば、これまでの行政書士業務の価値は書類作成にありましたが、
それがコモディティ化し価値が減少し、価格競争に陥るとみるや、
行政書士の価値を再定義し、「価値が移動した先」を見極め、
許認可事業にシフトする点など、常に自己否定し価値創造することの
重要性を学ぶことができると思います。
むしろ規制の強い法律の業界でできることなら、
自分の業界で出来ることはもっとあるだろう、
と思いながら読むべき一冊ですね。
金森さんのご著書は、すべて拝読していますが、
絶対にはずれがありません。
自信をもってオススメできる一冊です。
■■■ 本書の目次
PART1 成功への心構えとメカニズム
PART2 「資格」だけで食えるほど甘くない
PART3 「お客・情報・金」が集中するビジネス戦略
PART4 ベンリで効果的な集客手法
PART5 価値の再定義でさらに大きく稼ぐ
■■■チェックポイント B B B C H E C K P O I N T
■お金を捨てる勇気を持とう
「十分な売り上げをあげられるようになるために必要な、
精神面での心構えをひとつ挙げてください」
という質問があったら、僕はあることを真っ先にあげるでしょう。
これは、頭で理解していても、最初はなかなかできないことです。
ですから、開業するにあたっては、
まずこの点を確実に実行するようにしてください。
でないと、僕がせっかく集客技法について
いろいろと説明しても何の役にも立たないからです。
これを実行しないと、「あ~いいこと聞いたなあ」で終わってしまいます。
ほんの小さなハードルなのですが、
儲かっていない人は、必ずといっていいほどこれが実行できていません。
また、逆に儲けている人でこれが実行できていない人はいません。
この小さなハードルとは何でしょうか?
「お金を捨てる勇気を持つ」ことです。
お金を捨てるといっても、完全に無駄にするわけではありません。
これから話していく、売り上げをあげるための小さな実験
(大抵は広告だとかセールスプロモーションに必要な
ツールに使うためのコストですが)に躊躇なく
お金を使ってくださいというだけの話です。
躊躇なくです。
どのくらいの金額を使えばいいのかというと、
月額10万円程度~体力がついてくれば数10万円くらいです。
その金額は全部無駄になるわけではなく、大抵いくらかは戻ってきます。
うまくいけば、投入した金額の数倍から数百倍にもなって戻ってきます。
そして、その戻ってくる確率は、マーケティングの練習を重ねることにより、
どんどん上がってきます。
でも、その投入した金額が戻ってくることは誰も保証してくれません。
あなたの行った実験は、最初は的をはずすかもしれませんが、
何度も練習を繰り返すことによってどんどん上達して、
相当の確率で狙いがヒットするようになります。
■「選択と集中」で大きく成功する
たとえば行政書士の場合、取り扱いが可能な業務は、
世の中に2000~3000種類あるといいます。
あなたはこれらすべての業務に習熟することは
一生かかってもできないでしょうし、そうすべきではありません。
すべて習熟する頃には、あなたの人生は終わりを迎えているでしょう。
あなたが投入できる、「人、物、金、情報」の4大リソースは有限です。
とすれば、「選択と集中」が非常に重要な戦略になってきます。
どういうことかというと、「商材を絞り込みなさい」ということです。
名刺交換すると、建設業、風俗営業許可、宅建業、内容証明、会社設立、
遺言作成など、ごちゃごちゃと何十種類も業務を書き込んでいる方がいます。
これは、どうしようもない、最低の名刺です。
たとえば、会社設立を頼もうと会ったお客さんは、
この名刺を受け取っておもいます。
「この人間は、一体何が専門何だろう?
建設業とか他のことが中心で、サブで会社設立をやっているのかな?
とすると、会社設立の経験はそれほどないんじゃないか?
この人間に任せても大丈夫なのか?
実は、会社設立は今回が初めてなんじゃないか?
だとしたら、まず経験についてよく聞いてからにしたほうがいいな」
そして、こう聞かれるかもしれません。
「ところで、先生、会社設立は今までにどれくらいされましたか?」
ここで、あなたが、まだ数えるほどしか会社設立をやったことがないとしたら、
受注を落とす可能性が大きくなるわけです。
大きく成功している方は、外国人の入管手続専門とか
建設業専門とか運輸専門とか、ある業界に特化しています。
これは、「選択と集中」によって、その業界の情報のアンテナが高くなり、
またその業界での人脈、ノウハウが増えるからです。
業務にも習熟し、最初にその業務に取り組んだときの何分の1かの時間で
処理することができるようになり、効率があがるからです。
1点突破で、ひとつの業務に習熟したら、
次の業務に取り組んでいけばいいのです。
■低コストでできる見込み客の大量獲得
僕は、相続の事業を立ち上げるときに、
小冊子を使ってお客さんを集めました。
上手に使えば確実に儲かります。
SPツールは、使い方次第で儲かるものにも、
ただの無駄なコストにもなります。
僕が、どのように小冊子を活用したかというと、新聞などに、
協議会の設立の記事を掲載してもらって、
相続の小冊子を希望者にプレゼントしたのです。
新聞掲載の反響は凄まじく、掲載初日は電話の受話器を置くと、
数秒ですぐ電話が鳴るという状態が夜まで続きました。
ハガキでの小冊子の請求は5000枚を超え、紙袋一杯のハガキが来て、
大量の見込み客の集客が低コストでできたのです。
2STEP(2段階)アプローチとは、非常にポピュラーなマーケティング手法で、
小冊子、サンプルなどを提供することで、名簿の構築をすることに主眼をおき、
名簿の構築の段階では直接の販売に向けた活動はしません。
名簿を構築した後は見込客に対して、
テレコールやDMで受注につながる活動をする手法です。
僕は、業界で初めて、小冊子による業務開拓手法を導入しましたが、
その後は他の行政書士が模倣しているようです。
ただし、2STEPの理解なくして、
ツールをつくってもほとんど効果はないでしょう。
僕は、小冊子の開発の他にも、無料相談の金券などを開発していますが、
金券もただ配ればいいというものではなく、見込み客を集めるという観点から
取り組んでいかないと継続的な顧客の獲得につながりません。
見込み客名簿をどのように構築していくかが、
継続的かつ大量集客の肝になります。
僕が開業して最初にやったのは、FAX返信型のDMを出すことでした。
これは、DMの下の部分が申込み用紙になっていて、
そこに記入してそのままFAXで流せるようになっていました。
お客さんにどんな提案をしたかといいますと、
会社を設立したばかりのところに対して、
創業者向け助成金の無料コンサルティングの案内を出しました。
ではその、会社を設立したばかりのところは、
どうやって探したらいいのでしょうか。
答えは後で出てきますが、今これがわからない人は、
どんな商売をやっても、うまくいかないでしょう。
DMの3要素は、
リスト(名簿)と
オファー(提案)と
クリエイティブ(表現)です。
どの見込み客名簿に絞り込んで、どのような提案を
どのような表現方法でするか、ということです。
そのうち、もっとも重要なのが、リスト、すなわち名簿です。
見込み客名簿を見つけることができれば、
DMの仕事の半分は終わったも同然です。
そこで、設立したばかりの会社の名簿を集めてきました。
会社設立をするときに、当時は類似商号調査簿が
法務局に備えつけてありました。
通常はあいうえお順に並んでいる名簿のうち、
新しいものだけが更新分として別ファイルになっていました。
この名簿を見れば、ごく最近設立された法人がわかるわけです。
そうすれば、その法人に対して、
アプローチをかけていけばいいだけですよね。
これが、名簿収集の手法です。
現在はこのような制度はなくなりましたが、
この発想に横たわる思考のフレームワークを学んでください。
実際に僕は、以上の方法で売り上げを伸ばしたのですが、
さらに、考えてみます。
仮に新設会社に対するアプローチのための
チャネル戦略(営業経路戦略)を考えるとして、
どのような手法が考えられるでしょうか?
新設会社を知っていそうなのは、
引越屋や不動産屋、内装業の人かもしれません。
オフィス用レンタルマット会社や新聞勧誘員、
レンタルオフィスや中古オフィス用品店かもしれません。
あるいは、求人雑誌のオープニングスタッフ募集の求人広告で
新設会社を知ることができるかもしれません。
文具用品の配達業の人かもしれません。
情報が、一番初めに知ることになる川上の業者から流れてきて、
川下にいく過程をつぶさに想像することで、
適切な提携先が見つかるかもしれません。
あとは、そのチャネルにコミッションを落として、
情報提供をしてもらうのみです。
このようにして、ある商材の提供を考えた場合は、
その商材を提供すべき相手が、どのような名簿の構築によって、
どこから発見できるかを考えることが重要です。
これさえできれば、あとはDMの投入量に比例して、
売り上げが増加します。
■■■本日はこの書籍からの引用です
・プロ法律家のビジネス成功術
・金森 重樹(著)
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Kouichi Msxturbo Tachibana