「ロシアには公立・私立合わせて約6,500の入院設備のある病院と約1万6,000の外来専門の診療所がある。医療機関の約9割は公立で、そこで使用される機器は公共調達で賄われている。…
…広大な国土の中、地方ごとにキーパーソンとなる有力者は、官庁幹部、首長、地域の基幹病院の医師と多様だ。入札手順の不透明性は年々改善傾向にある…
…ロシアではとりわけ、関係当局とのパイプがしっかりあるかという点が重要だ。多くの国では、医療機器のエンドユーザーの医師への売り込みが重要な場合が多いが、『ロシアでは医師との関係も大事だが、それ以上に地方レベルを含めた関係省庁との関係が非常に重要』(日系医療機器メーカー)だという。…
…地方によって調達過程で影響力を持つのは省庁だったり、首長だったり、地域の基幹病院の医師だったりとさまざまだ。」
「インドでは衛生に関する概念もまだ成熟していない。公立病院の内部を歩くと、床は砂ぼこりが多く、また大部屋の病室には仕切りがなく感染症などが気になる環境にある。アジアなど新興国の病院を訪れたことのある医療機器メーカーの関係者も『この状況は最悪』と語る。
(略)
衛生面の課題は列挙にいとまがない。ただし、こうした状況は日本企業には追い風の面もある。インド市場では欧米企業が既に地歩を固めているといわれるが、衛生管理や、製品を正しく使うための教育や訓練には必ずしも十分には取り組めていない。製品単体の販売にとどまっているというのだ。息の長い取り組みにはなろうが、代理店と協力して現地の医療関係者への教育・訓練を行い、『日本企業は製品を売るだけではない』『われわれの課題を解決してくれるパートナーだ』と理解してもらえば、将来の大きなビジネス機会につながるはずだ。」
第11章 インド
1. 市場 - 年率2桁の伸び、教育とセットでの製品紹介に活路
「旧社会主義時代、中欧3カ国には頻繁に故障する低級品しかなく、今でも医療機器は頻繁に故障するという認識が医療従事者の間に強い。このため、地元の輸入販売企業によると、代替部品(スペアパーツ)のスムーズな供給体制の構築や、販売後のアフターケアができる技術者の配置など、病院は購入後の対応や体制に関心があるようだ。」
第7章 欧州
4. 中欧 - チェコ、ポーランド、ハンガリー
「新興国市場の中でも成長市場として世界の注目を集めるアジアでも、米国や欧州を留学先とする医師が主流だが、仮にこれらの医師の相当数を日本でトレーニングできれば、日本の医療機器のファンは格段に増える可能性がある。
海外に製品を積極的に紹介していく取り組みに加えて、例えばユーザーである海外の医師に、招聘プログラムなどを通じて日本の医療技術、医療機器に直接触れてもらう機会を増やすことも重要である。
各国の医師から米国ではなく、あえて日本を選択してもらうためには、日本の特色を打ち出す必要がある。」
2013.06.21 購入
久々に仕事に直結する内容の本。仕事へのモチベーション回復の起爆剤になることを期待。
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Gen Sakata