ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実

企業にとってマイナスなのに、間違った経営施策が生き残るのは、ウィルスが人類の中で生き続けるのと似ている。次から次へと感染し、死に絶えるよりも早く拡散する。そうなればウィルス（経営施策）は生き残り続け、絶滅しない。
さらに、ビジネスの世界で特徴的なのは、みんなが同じ施策を採用すれば、みんなが同じようなレベルに留まるということだ。企業間の競争は、競争力が他社と比較して高いか低いかで決まる。だから、間違った習慣を続けても、みんながやっていれば、損をしているということに気づかない。顧客は「大きな銀行はどこもサービスがひどい」と、苦情を言うかもしれない。しかし、顧客は他の選択肢がないので、ひどい銀行のどれかを選ぶしかない。その結果、銀行は満足度の低いサービスを提供していても困ることはない。