「…で、吾輩が最近世の中を眺めていて非常に強く思うことの一つなのだが、『愛』という言葉がものすごく頻繁に、しかもいろんな場面で使われている。『愛がすべて』『愛が地球を救う』そして『愛は勝つ』…
…テレビで、アフリカやアジアの街角が毎日映し出される。エチオピアの難民が、バングラディシュの子供たちが餓えている。毎日十万人の子供が死んでいる。この子は明日にも死にそうだ。みんなテレビを見ながら、『ああ、なんてかわいそうなんだ、少しでもなんとかしてあげたい』って、そのときは思うだろう。そしてそう思った連中何百人、何千人かが金を払うことによって、十万人の子供たちが五日間生き延びるかもしれない。
しかしいくらみんなが金を払ったって、その子たちが大人になるまで世話をしてやれるわけじゃない。ここでその子たちを五日間生き延びさせたからって、『それが何になるのか』と吾輩は言いたいのだ。
つまり、みんなが『これが愛だ』『地球を救うんだ』と思ってやった行為なのに、実はそれは地球を救うのでもなんでもなくて、人類という非常に身勝手な生き物が地球という星を虫食いにしようとしている、その一部をほんの少し助けている行為以外のなにものでもないわけだ。
最終的な結論を言うと、戦争問題、飢餓問題、環境問題、南北問題ーーその他、世界中に広がるさまざまな問題というのは、全部、この地球上に五十億の人間がいるということにつながってくるんだけれども、これを解決する手段は、二つある。
まずその一つ。手段はともかくとして、大量の人間が死ぬこと。人が多すぎるというだけで、争いごとというのはずっと起きていく。だから、戦争が起こるか、疫病が流行るか、飢餓が広がるか、ともかく人間が死ねばいい。…
…しかし、じゃあ実際に誰が死ぬのかという問題があるよな。そこで『お前ら、ホントに愛があるんだったら、自分が率先して死ね』と、吾輩は言いたいわけだ。理屈で言えばそうだろう。地球を本当に愛していたら、本当に救いたいと思っていたら、率先して死ぬのはお前らだという話になってくる。」
真実の「愛」を見せてもらおう
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Gen Sakata