一歩離れて、日本を眺める視線を提案する―外国在住だからこそ書ける内容だ。戦後の敗戦処理や原発対応、サービス全般、教育について述べている。
ドイツが軍隊を持つ理由には激しく同意。ドイツも日本も、戦争をする気がないという考えは同じだと思う。日本での原発の話題を利用したドイツの政治家やメディアが自然エネルギーに突っ走っていく様は興味深い。ただし、現在はバラ色の再生エネルギー信仰からは一歩後退しているように思われるが。
ドイツ人から見れば日本人が悠長に構えているように思えることもあるだろうが、小学生の頃に将来を見越した動きをせねばならないドイツに比べれば、やり直しがきく日本は素晴らしいと思う。
一番驚いたのは、ドイツでは医者さえも平気で2~3週間休むことだ。それだけ完璧な代行システムが様々な業種で構築されているからだが、日本ではなぜか観光業だけはいろんな理由で遅れており、日本人がドイツ人と同じように休むのは不可能だと筆者は考えている。
TPPでの日本の立ち位置はEUでのドイツと似たり寄ったり―最後はこういった話で終わる。寡黙は日本以外の国では美徳ではないゆえ、どのように動けばいいのか、日本はドイツの動きを注視すべきである。
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Hiroko Kashimoto