裏千家を嗜む人物の著書。一流の人達について書いているというよりも、お茶の精神を説いた上で「だから一流の人の中にもお茶を究めようとする人がいる」と言っていると考えたほうがいい本だが、精神を知るには素晴らしい内容だ。「ルールがあるのでエゴが出てくる場面が少なくなる」には納得。茶道には決まり事が多いという印象を持っているが、エゴの出番がない=心が穏やかになるという点には目から鱗である。しかし、茶道はやさしさでできているので、ルールを守ることで他の人を傷つけてしまう可能性がある場合は、あえてルールを無視することもある。すべては相手への思いやりだ。
ビジネスにおけるマナー本が横行する今、もろもろの事情が許せば、お茶を学ぶことのほうが根本的な自己啓発に通じるように感じる。迷った時には『和敬清寂』の精神に立ち返ればよい。
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Hiroko Kashimoto