著者は社会学を専門に学んだ韓国人学者。夫とともに、いかにして6人の子どもを国の中枢を担えるような人物に育て上げたか?について述べている。彼女らが生きた時代背景や少数民族としての苦労がもとになっている為、全く同じ事はできないが、似通う精神文化もあるのでそこから学ぶことも多い。著者はまず子どものアイデンティティの確立を強調する。「他国の言葉だけではなく、自国の文化や伝統を知らなければ国際的に通用しない」は尤もだと思う。夫婦間のあり方にも踏み込み、夫と妻がそれぞれに対する敬意を払い、お互いに自己完成に励むことの重要性も説く。時には子ども達を血の通った言葉で導いてやることも必要だが、親自身がやるべきことをやっている後姿を見て、子ども達も自然と学んでいくものだ。リーダー論にもしっかり触れているが、全ての人間関係は親子関係が根っこにあることを教えてくれる。手を変え品を変え子育て論を述べているが、どの言葉も、全ては「人間の偉大さとは、どれだけ人の役にたったかによる」ということを説明する為のものだ。
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Hiroko Kashimoto