盧溝橋事件から始まり、泥沼化していくことになる支那事変の、当時は首都陥落によって戦闘が終結すると考えられていた南京戦にまつわるエピソードを、南京戦に参加した将兵によって戦時中である昭和10年代後半にかかれたものを再編集した書籍。本書のタイトルはやや扇情的であるが、戦場がどんなものか、日本軍はどのように戦い、土着民とどのように交流し、戦友とどのように過ごしたのかが生々しく描かれている、貴重な資料である。南京といえばとかく南京事件が取り沙汰されるが、その有無がどうのという次元を超えて、日本軍の、少なくとも南京戦ごろまでの実相がどの様だったのかがよくわかり、その様子はやはりよくも悪くも日本人らしい。我々の祖父の世代がどんな思いで戦地に赴いていたかに思いを馳せながら読了した。
2011-09-23 02:37:07Wow! ノートはまだありません
Atsushi Egi