すでに10年前の書籍なので、その後の中国の動きからして予想どおりになっているもの、いないものがはっきりしてしまっているところもあり、そういう意味では評価するのは酷な面もあるのは致し方ない。
ただ、本書を通して全般に悲観論がベースにあり、ややこじつけとも思えるような論理の展開があったり、結局何が言いたかったのかよくわからないところもあり、総じて結論ありきな印象を受ける。
中国の実際が現状どうなのかについては別途調べたいと思うが、この本で展開されているようには崩壊はしていないし、少なくとも上っ面はうまくやっているように見える。内陸部との経済格差はますます大きくなっているだろうし、伝えられないだけでウイグルやチベットの問題は依然未解決で、あろう事かベトナムの領土すらも自国のものだというような拡大路線を突っ走っている。いずれ沖縄も中国のものだといいかねない雰囲気は確かにある。
なんにせよ、本書で書かれている問題の多くはいまだ積み残されていると思うし、中国は国内に大きな爆弾を抱えたまま膨張しているのは変わらないと思う。それが改めて再認識できたという意味では、大変参考になった。
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Atsushi Egi