太平洋側を表日本、日本海側を裏日本という呼び方がどうして定着したのか、気候によるものなのか、アメリカを向いているからなのか、本当の所は定かではないけれど、その裏日本たる日本海側には、今日の出の勢いの中国、ロシア、韓国が近接している。この本によれば、これらの国は大きな需要をもって日本との貿易を振興すべく様々に働きかけてきているそうだ。
たとえば、日本では需要が少なくなっている国産材だが、中国などは今経済発展に伴い建設資材の不足が問題になっているらしい。かの国から労働力を供給してもらい、それと共に日本の材木を買ってくれる富裕層に働きかければ、こうした荒れる一方の山の活性化にもつながり、双方にとってメリットが大きいとする。
こうした事例をあげながら、日本海側の各地は貿易の前線になり得るし、太平洋側、特に東京一局集中による地方の疲弊を解消しつつ日本全体を元気にして行くには、という視点で様々な提言がなされている。
事実の中途半端な理解による根拠の乏しい論理展開も散見されるが、基本的な方向性、着眼点は面白い。
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Atsushi Egi