タイトルはかなり誇張されている感じを受けなくもないが、世界中で水が足りなくなっている今、日本が「水」という資源についてはかなり有利な立場にあることは確かだろう。ただし、本書内でも数字を示して説明されているが、人口一人あたりの資源量にすると実は多いわけでもなく、実際には急峻な地形と河川流域の短さから、資源量の20%程度しか活用していないそうだ。また、個々の技術は優れていても、システムとして水ビジネスを推進するのもまだまだ弱いらしい。
考えたこともなかったが、穀物やそれを元に育てられる家畜まで含めた穀物輸入量に占める水の量(穀物や家畜を育てるために使うものを含む)は日本で消費される水の量を上回るという。つまり、我々の飽食は輸入先の人々の大量の水の消費の上に成り立っているということで、ここから食糧安保以外に水資源の有効利用という観点からも国内農業の活性化を図るべきとする。
これまで、国内の農業は国内消費だけを考えてきたが、これからは高級ブランドとして海外に積極的に売っていく必要がある。淡水化技術などを活用して各国・各地の水資源を保護していく活動も進めていくべきという結論には大いに賛成する。
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Atsushi Egi