昭和40年に刊行され、のちに改訂新版として出された、山本五十六海軍元帥の伝記。
上巻は聯合艦隊司令長官に任ぜられたところから書き出され、そこから回想するかのように若き日々が描かれてゆく。上巻は昭和15年末頃までの山本五十六を中心として、時代背景やそこに至る経過などがいろんな人の視点から描かれている。
膨大な情報量もさることながら、とかく軍神だの英傑だのと担がれがちな素材を扱いながら、人間としての山本五十六像に迫っているところは、さすがというべきか。特に、海軍さんには当然であったかもしれないが、非常にばくち好きであったこと、妻も子もいながらほかの女に本気になってしまい、妻子の元にはほとんど寄りつかなかったことなど、不名誉なところも淡々と描いており、そうした点は個人的に好感が持てた。
下巻ではいよいよその時に向けて急展開していく。
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Atsushi Egi