トム・クランシーのジャック・ライアンシリーズ第2弾の下巻。
妻と娘の乗った車がテログループに襲われ、娘があわや命を落とすかの大惨事に発展する中、復讐を誓うジャックはCIAでテログループに関する情報を分析し、フランスが追い続けていた別のテログループの壊滅に貢献する。やがて、衛星からの映像でテログループの味とを突き止めるものの、急襲部隊はアジトにたどり着く前に敵に感づかれ、逃げられてしまう。やがて、英国皇太子が遊説の合間にライアン家を訪れることになったが。
ラストに向けて急転直下、めまぐるしく展開するストーリー。完全防備のライアン家を易々と越えて襲ってくるテロリストたち。ある意味、現代の防犯の限界を見せつけられるようなその手口にも唖然とするが、このテロリストたちの執念やそれに対峙するジャックたちの凛々しいことも目をひく。
本作は出版からずいぶん放っておいて読んでいなかったものだが、改めてクランシーという人物が稀な作家であることを思い起こさせる。残念ながら、これら初期の作品は絶版となったのか、中古以外では入手が難しそうだ。初期作品から近作まで、再版されることを切に願っている。
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Atsushi Egi