ここ数日間はこの小説を読むために寝不足に悩まされた。2年前に発生した強盗殺人事件を所轄に飛ばされことを待つ刑事が追い始める。事件は徐々に核心に迫り、日本一の流通企業による隠蔽工作をあぶり出していく。本書の題名が象徴的だが、その秘密が明かされたときに大きく唸った。刑事小説の本筋とは別の伏線で市場主義の企業による地方都市の均質化も問題点として読者に提起してみせる。ラストは納得できるか否かは読者に任される。自分は企業に働く人たちの雇用を守るという立場で納得のラストだった。
読書の醍醐味を堪能させてくれる素晴らしい小説だった。
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Tadashi Kai