古本屋の店主が本にまつわる謎を解決するミステリの第3弾。
安楽椅子探偵役の栞子さんと本が読めない体質の五浦という異色のコンビがホームズとワトソンのような役回りになっているのは相変わらずで、いろいろな古書にまつわる蘊蓄が謎を解く鍵になっているあたりも変わらず「へぇ~」とうならされる。栞子さんの母親の影が少しずつ実態を帯びてくるに従い、その驚異的な能力と手段を選ばないことから典型的な悪役キャラの香りがぷんぷんしてくる。
それにしても、栞子の母親は現在のビブリア堂の様子をなぜか知っており、さらには五浦が本が読めない体質ということまでも把握している。その謎の解決の糸口は本書ラストあたりで示される。この後、母親がどんな風に物語に絡んでくるのか、続編が待ち遠しい。
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Atsushi Egi