鳥取に転勤してから行くこともないだろうと思っていたにもかかわらず、神戸に倉庫店がオープンし、鳥取から2時間そこそこで行けることがわかってからはついつい一月に1回以上のペースで通ってしまうほど、なぜかコストコ漬けになってしまっている自分。先日コストコ神戸倉庫店に立ち寄った際に本書を店頭で見つけ、どうしてこういう行動をとってしまうのか、その謎の解明の糸口になるかと手に取ってみた。
著者はコストコジャパンの創生期にコストコで仕事をしていたそうで、2000年にその名も「コストコ」という本を出版している。本書はその後の日本を含めたコストコの快進撃の様子をデータを使ってわかりやすく紹介するとともに、ウォルマートに代表されるディスカウントストアや一般的な百貨店との違いも浮き彫りにする。さらには、コストコは顧客と従業員を手厚く優遇することで株主利益をないがしろにしていると批判されているようだが、創業者はそんな批判にも動じず、逆にそれが企業の弱体化を招いていると警鐘を鳴らす。
コストコは「高品質なものを出来るだけ安く」という点で「高品質なものを高く」という姿勢の百貨店や「とにかく何でも安く」というディスカウントストアと一線を画し、「限られたものだけで商売を行う」という点で「幅広いものを取りそろえる」スーパーセンターとも一線を画している。確かに、コストコで買って帰る食べ物は大抵何でも美味しいし、置いてある製品はとびっきりいいものではないにしても比較的安価に手に入れることが出来るという面で安心感がある。
本書はコストコのことを書いている割に、グラフの中で「コスコト」なんて誤植が堂々とあったりするなど、1600円という価格の割に若干つくりは雑である。しかし、それはそれとしても、コストコがどういう所に力を入れているのかを知ると、さらにコストコのファンになってしまいそうになる、そんな一冊だ。
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Atsushi Egi