臨床心理士・岬美由紀が活躍する千里眼クラシックシリーズ第4弾。
今回はつい最近開通したような気がする山手トンネルが舞台。レアアースの一種を巡って恒星天球教の友里佐知子が暗躍する中、岬美由紀がむかった先は山手トンネル。トンネル内にはワナが仕掛けられており、トンネルの崩落とともに閉じ込められてしまう。そこではイリミネーションと名付けられた儀式が始まろうとしていた。
前作でもやや常人離れした活躍を見せた岬美由紀だが、本作ではさらにスーパーウーマンぶりを発揮する。弱点がわからない、脳手術を受けて痛みを感じなくなった人間=怪物を相手に、八面六臂の活躍をする。イリミネーションの儀式はその裏に壮大な陰謀を秘めていたが、それすらも見破り、やがて友里佐知子を追い詰めていく。
半ばグロテスクな描写が続き、ややもすれば吐き気を催しそうな状況の中、しかしそれでもスピーディに展開していく物語に引き込まれ、続きを読みたくなってしまうのは作者の力量のなせる技か。チェーンソーで脚を切られけがをしたはずの美由紀がやたらと俊敏に動き回れるのが違和感を残すといえばそうだが、それを補ってあまりあるストーリー展開のおもしろさに一気読みしてしまう。
追い詰められた友里佐知子がこの後どんな動きを見せるのか、続編がまたまた気になってくる。
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Atsushi Egi