臨床心理士・岬美由紀が活躍する千里眼クラシックシリーズ第6弾。
美由紀は休暇を取ってスキーに来ていた。そこに突然現れた自衛隊ヘリ。救難信号を受信したというので美由紀も同乗し、ホバリングするヘリから信号源付近にダイブする。しかし、そこには誰もおらず、呆然とする美由紀を雪崩が襲った。
東京では東京湾沖合に巨大アミューズメント施設が建設されていた。表向きはレジャー施設だったが、実は密かにカジノの建設が進められており、やがては法改正を果たしたい議員らが視察に訪れる。そこでは、実際のカジノ同様、現金のやりとりも行われるべきという意見をくみ、400億円の現金が倉庫に運び込まれていた。それは、これからはじまる大いなる陰謀の始まりだった。
途中まで読んでいて、明らかにそれまでの美由紀と言動が異なる美由紀と、どう考えてもただのアミューズメント施設の従業員には見えない女性が登場し、やや混乱を招きがちになる。その伏線が冒頭の雪崩事故であるが、そのつながりも決して無理はない。本作のキーマンはタイトルにもある「マジシャンの少女」と「落ちぶれた汚職刑事」で、いずれも美由紀顔負けの活躍を果たす。
それにしても、F15のパイロットまでは許すとしても、潜水艦の操艦指揮もこなせるなんてのはちょっとやり過ぎでは。どこまで万能キャラクターになってしまうんだろう、岬美由紀は。
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Atsushi Egi