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元財務官僚の高橋洋一氏がわかりやすく財政について解き明かす。
国債などの信用度を測るためには、格付け会社が勝手につける「格付け」ではなく、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という指標を使う方が遙かに客観的で的確で迅速な判断が出来る、など、つい新聞やテレビの見出しに踊らされている自分を発見できる文言がズラリ。
特に、デフレの原因や円高の原因を「少子化」「高齢化」「人口の減少」などに求めるのではなく、純粋にデータから見て「円の供給量の少なさ」に起因するとばっさりやっているあたりはスカッとする。日銀の人が読んだらブチ切れそうな、「デフレや円高は日銀がお金を出し渋っているから」という論調には拍手喝采を送りたくなるほどの説得力がある。財務官僚は天下りや省の利権のために増税したいし、日銀は財務省の言いなりになりたくないから金融緩和に踏み切らない、なんて毒のあることを平気で書いてしまうのだから、著者はすごいと思う。
この本が出たからかどうかはわからないが、先だって日銀は追加の金融緩和策を発表した。欧米に比べると圧倒的に少額でタイミングもまずいが、何にもやらないよりはマシという感じ。この本を読むと、本気で景気回復や円高是正に取り組む気があるなら、もっと大胆な対策をしてもいいのでは、という気になってくる。

2012-09-26 13:56:32

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