カリスマ・マーケッター、神田昌典による小説の下巻。
いろいろと手を広げすぎてどう収拾させるのかが気になる展開となったが、そこはある意味強引にあるべき姿に収斂させていくその展開には唖然とさせられる。裏切り者だったのか、仲間だったのかさえよくわからない主人公の周りの人たちの言動もさることながら、結局主人公の姉は何を残したのかは解明されないまま。謎は謎のままのこり、しかし何となく物語は大団円を迎えてしまっているという、不思議な結末となっている。
説明がかなりはしょられていて、どうしてこうなったのかわからない、という部分があまりに多く、物語としてはかなり完成度は低いが、戦略的に物語に起伏を作ることで何となく読ませ切ってしまうというあたりも、神田昌典流の実験だったのではないかと思ってしまう。
不満は多く残るが、意外にも読後感は悪くない。このあたりも計算されている展開にまんまと載せられているのかもしれないが。
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Atsushi Egi