臨床心理士の岬美由紀が活躍する千里眼シリーズ第8弾。
航空自衛隊の演習中に、標的の中に隠れて遊んでいた少年が演習における爆撃によって死亡する事故が発生。しかも、使用された武器は新型の爆薬で、炸裂と同時に肉体は蒸発し、骨すらも残らず、後に残るのはわずかな細胞が分解された後の一部の元素だけのため、本当に少年がいたかどうか誰にもわからないため、自衛隊としても本当に事故があったかどうか慎重に見極めるために報道発表すら行われなかった。その事故を起こしたのは美由紀の防衛大学校時代の先輩であり、操縦などについてアドバイスをしてくれた師匠でもあり、かつ当時の恋人でもあった、空自のエースパイロット、伊吹一尉だった。
伊吹と過ごした日々を振り返りつつ、事故を起こしたことでやけになり、もはや自分は存在していてはいけないとでもいうかのような態度をとる伊吹に対し、諦めずに支えていこうとする美由紀の姿が描かれる。
相変わらず出てくる自動車は普段の生活では全くなじみのないものが多いが、ついに世界最高額といっても過言ではないスーパースポーツカー、ブガッティ・ヴェイロンまで登場してしまった。松岡圭祐という人の車への執着はどこまでなんだろうと、物語の本筋とは違ったところでものすごく興味を引かれてしまった。
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Atsushi Egi