スウェーデン発大河ミステリ第3弾。以下は上下巻通しての感想である。
第2部で瀕死の重傷を負ったリスベットは病院に収容され、治療を受ける。一方で国家機密を保持しようとする勢力が暗躍し、リスベットを再び精神病院へ送り、二度と出てこれなくしようと画策する。ミカエルはこの勢力を暴き、粉砕すべく奔走する。やがて、殺人未遂ほかの罪で起訴されたリスベットの裁判が開廷する。
第3部は冒頭からすごいスピードで展開する。第1部のようなゆっくりとした導入部はなく、第2部の終盤の勢いそのままに、しかしさらに新たな要素が加わって大きなうねりとなっていく。本作のクライマックスであるリスベットの裁判シーンでは、完膚無きまでに相手を粉砕するための周到なやりとりが爽快である。
本作でこれまで提示されたほぼすべての謎が解決され、三部作は見事大団円を迎える。しかし、作者のPCには第4部、さらには第5部の一部の原稿も保存されていたらしい。作者の親族と作者のパートナーとの間でもめており、決着はまだ着きそうにないが、出来うるならば早期に和解して、続編の出版に道筋をつけてもらいたい。
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Atsushi Egi